雨の日の大喧嘩
















 しとしとしと。

 6月から梅雨の季節であったが、末ぐらいまで6月とは思えない程に太陽が眩しく、アスファルトをじりじりと焦がしていた。

 6月の末から、雨が降り始めた。

 そして7月に入ってからも空は曇っていて、昼間とは思えないぐらいどんより暗くなっている。

 空からは、大量の雨。

 毎日降っている為、いい加減うんざりしてくる。




「はあ…」

  は空を見上げ、洗濯物が入っている籠を片手に溜息をついていた。


「あーあ。今日も洗濯物干せないなあ…」


 しょんぼりしていると、後ろからそれとは裏腹に明るい声が聞こえてきて。

 と同時に、後ろから抱き締められた。



「お〜い、 ちゃ〜ん!」

「わっ!き、清純」

「どうしたの?なんか元気ないよ、 ちゃん」


  の肩に顔を乗せ、心配そうな顔をする次男の清純。

 顔の向きは変えずにずっと空を見上げ、 は苦笑いを浮かべる。


「別に大丈夫だよ。ただね、こんな毎日降られると洗濯物が外で干せなくなっちゃうから」

「なるほどね。…ヘヘッ」

「ん?どうしたの?」


 清純が笑うので、小首を傾げる。

 彼は「いやいや」とにっこり笑いながら、楽しそうに言った。


「本当のお母さんみたくてね。 ちゃんがお母さんだったら俺、幸せだなあ」

「えっ…そう、かな…?」


 義弟の言葉を聞いて は微笑む。

 清純は肩から離れ、 の身体の向きを自分と向かい合うようにする。

 清純から見て、 は心なしはとても嬉しそうだった。

 その姿に、清純も嬉しくなる。


「あ、でも」

「ん?」


 何か思いついたように声をあげた、目の前の彼を見上げる。

 見上げている為に、自然と上目遣いになる。

 それにドキッとしながら、指を立て可愛らしくウィンクした。


「いや〜 ちゃんがお母さんじゃなくて、俺の奥さんの方がいいなあって思ってさ」

「……」



 清純の思いがけない発言に言葉を失い、そして、だんだん顔が赤く染まっていく。

 彼の言葉は、まるでプロポーズをしているようで。

 一方、清純は、それを自覚して言っているのかは分からないが。



「そ、そそそそんなことないよ!清純にはもっといい奥さんがいるし!
 
 それに私なんて奥さんって感じしないし、全然ダメだよ。えっと、それからそれから…」



 困惑し、自分でも何を言っているのか分からないが、とりあえず否定する。

 顔は熟れた林檎のように真っ赤に染まっていて、その姿がどうしようもなく可愛くて。

 清純は目を僅かに細めると、義姉の身体に手を伸ばす。



ちゃんてば、かーわいい」

「キャッ」


 彼に抱き締められ、ガタッと音を立てて洗濯籠が落ちる。

  を自分のモノであるかのようにぎゅっと抱き締めていると、後ろから何か黒いオーラが発生している事に気づく。


「ん?」


 清純は不思議そうな表情で後ろを向くと、長男・景吾がそれは恐ろしい形相で双子の弟を睨みつけていた。


「何してんだよ」

ちゃんを抱き締めてる」

「んなもんは見れば分かる。 は、何で抱き締められてんだ?」

「え、えっと……成り行」

ちゃんが俺のこと愛してるって言って、抱きついてきてくれたんだよ」

「……え?」


 言葉を遮っていった言葉に は呆然と彼を見上げ、そして、それと同時にブチッと変な音までした。

―――ついに、景吾がキレた。

は真っ青になり、相変わらず清純はにこにこと楽しそうに笑っている。



「…覚悟はいいな?」



 先程よりもドス黒いオーラを漂わせ、普段のクールで偉そうな彼ではなく、言葉では表せない程に恐ろしくなっていた。 

  は、とにかく誤解を解こうとする。



「ち、違うのよ!景吾。成り行きでその…えっと、清純からなのっ!じゃなくて、景吾落ち着いて?」

「そうだよ、景吾クン。そんなに怒ってると皺が増えるよ?」

「え…?それって、なんか違うような気が…」

「問答無用だ。くらえ!破滅への輪舞曲!!」


 いつどこから取り出したのか分からないラケットとテニスボールを持ち、得意技「破滅への輪舞曲」を打ちまくる景吾。


ちゃん!」

「え?」


 清純は を呼ぶのと同時にお姫様抱っこをして、景吾が打ってくるボールを軽々と避けていく。


「景吾クン、全然当たらないよ〜?」

「…んの野郎っ!」


 更に兄の怒りを仰ぎ、完全に楽しんでいる清純。

 彼の腕の中では、落ちないようにギュッと服を掴んでいる



ちゃん」

「ん?何?」

「俺が守ってあげるからねっ」


 この後、2人の喧嘩は一時間以上も続いたという――。























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ひゃ〜ごめんなさい、ごめんなさいっ。

こんなの跡部じゃないですもんね…。こんなに彼は怒らない。

でも、怒らせちゃいました。えへ☆(キモ)

さんの事になると、俺様な彼も怒ると思うんですよね。勿論あと3人も。

ちなみに、この小説の相手は清純です。

こんな意味分からない小説で申し訳ないです;;


確か、私が自分で100を踏んだ時、丁度梅雨の季節だったと思うので、この小説はフリーにします。

ご自由にお持ち帰りくださいませ。

でも、著作権は私にありますので、勝手に改良したりなどしないでください。


(2005/08/03)(2005/12/30 修正)


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