ったく、なんで俺がイライラしなきゃいけねえんだ。

 俺の恋人・

 コイツは、十番隊においている。

 席官ではなく、普通の隊員だ。

 十番隊に置いておかないと、俺が落ちつかない。

 他の隊だったら、他の男に何されるか分からねえしな。

 ……そのために置いたんだが、ちっとも安心できやしねえんだよ。

 今、 はいない。

 俺が書類を他の隊に渡してきてくれ、と頼んだから仕方ないが、仕事中に他の男と話していると思うと…!


「隊長」

「……なんだ、松本」


 横でお茶を机に置いている松本に話しかけられ、考えから戻る。

 イライラしていた為、目つきは悪いかもしれねえが。

 松本は、俺の手元を見ながら言う。


「先程から手が止まっていましたよ。もしかしなくても、 のこと考えていたんですね?」

「………」


 図星をつかれ、俺は黙る。

 すると、松本は溜息をひとつする。


「大丈夫ですよ、隊長。 は、隊長が思っているようなことはしないと思いますけど?」

「…別に思ってねえよ。でも、 は人がいいから話すだろ」

「…… も大変ですね」

「どういう意味だ、それ?」

「別に理由なんてありませんよ?では、仕事に戻りますね〜」


 何であんな楽しそうに戻っていくんだよ、お前は。

 まあ、あまり深く考えないことにした。

 とにかく残りの書類を終わらせないといけねえ。

 いつまで俺に心配させんだよ、 ………。















   You push and are not method of love















 私は今、日番谷隊長から頼まれた書類を届けている途中。

 実はね、これ内緒なんだけど……隊長は、私の大好きな人なの!

 でも、何故かみんな知ってる。

 私、言いふらしたかなあ……?

 おっと、そんなこと考えている暇じゃなかった!

 早く届けないと…ってあれ、恋次さん?

 いつもの死覇装ではなく、非番のときの格好をして出歩いている。


「お、 じゃねえか!」

「ども」


 不思議そうにずっと見ていたら、視線に気づいたらしくこっちに来てくれた。

 名前を呼ばれたので、挨拶をする。

 だって、先輩だし。



「恋次さん、何していたんですか?」

「い、いや、何もしてねえよ。で、お前は?」

「私は、隊長に頼まれて書類を届けているところです。六番隊ではないですよ」


 「六番隊にはない」って言うと、恋次さんは「いや、聞いてねえけどよ」と言いながらも、ちょっと残念そうな表情をする。

 何故か分からなく首をかしげていると、頭をぺしっと叩かれた。


「恋次さん、何するんですか〜!痛いですよ」

「そんなに強く叩いてねえぞ?…まあそんなことより、早く届けて隊舎に戻れよ。お前んとこの隊長、今頃すっげえ心配してるぞ」

「そうかな?でも、普段そんなに心配してくれ…」

「と、とにかく行ってこい!」


 無理やり背を押され、前に転びそうになったけれど、なんとか転ばなかった。

 何であんなに恋次さんが慌てているのか理由が分からなかったけれど、とにかく言うとおりに早く届けることにした。

 すぐにその場を離れてしまったので、その時呟かれた言葉を聞き逃してしまう。



「――――こんなところ見られたら、あとで何されるか分かんねえよ」





 私の目的地は、三番隊。隊長が市丸隊長と吉良副隊長のところ。

 のんびりと歩いていたら、今度は十一番隊第三席一角さんに出会った。

 相変わらず頭が輝いているなあ……なんて言ったら、殺される…!


「一角さん、ども」

「おォ、 か。お前、書類届けてんのか?」

「そうですけど?さっき、恋次さんにも言いましたけど、十一番隊はありませんから」

「いや、誰も聞いてねえよ」


 今度は、即効突っ込まれる。

 一角さんって外見はなんか怖そうな感じがするけど、実は結構優しい人なんだよね〜。

 怒るときは怖いけど。

 あんまり話していると、仕事の邪魔かな?


「では一角さん、お仕事頑張ってください」

も早く終わらせろよ?」

「え、何でですか?」

「日番谷隊長、いつも心配してるからだよ。じゃあな!」


 一角さんも恋次さんと同じことを言う。

 本当に隊長は心配してくれているのかな?

 いつも戻っても、そんな素振りは見たことないし…。

 とりあえず、早く三番隊に届けて戻ろう!





 俺は机にある書類は全て終わらせ、一息ついた頃時計を見る。

が届けに行ってから、もうすぐ一時間が経とうとしていた。


「遅え…」


 思わず口に出してしまう言葉。

 いつもなら、あのマイペーズでのんびりな でも、こんなにはかからない。

 もう少し早いはずだ。

 だが、もし何かあったとしたら?

 あの市丸の野郎がいる三番隊に届けさせてしまったが、もし何かされていたら?

 俺らしくない考えが浮かぶ。

 俺はいてもたってもいられなくなり、ダッと立ち、松本に声をかける。


「松本、少しの間任せていいか?」

「ええ、どうぞ。行ってきてください」


 駆け足で、三番隊へ向かって走っていった。





 ふう〜やっと三番隊へついたよ。

 2回ほどノックをして、隊首室の中へ入っていく。

 返事は無かったけど。



「失礼しま〜す」

「待っとったで、 ちゃん」

「市丸隊長!」


 中に入ると、市丸隊長がいてびっくりした。

 気配がなかったのに、突然現れるとかなりびっくりする。

 市丸隊長、ちょっと苦手なの。

 とりあえず、早く帰ろうと書類を手渡す。


「はい。日番谷隊長から書類です」

「ごくろうさん。で、 ちゃん?」

「はい、何ですか?」


 顔が至近距離……。

 思わず後ずさっちゃった。

 後ずさると、市丸隊長も一歩進めてきて、かなり困った。


「あ、あの…市丸隊長……?」

「なんで逃げんの?僕、君のこと好きやで」

「そんなこと言われても困ります。私には日番谷隊長がいますので…」


 そう言うと、スッと顔を離してくれた。

 それに安心していると、今度は肩に手を添えられる。


「はよ ちゃんおいで」

「…何処にですか?」

「あそこに」


 “あそこ”と指差されたのは、隊長が座る椅子。

 さすがに隊長に向かって嫌とは言えず、冷や汗をかきながらされるがまま。

 な、何されるんだろ…?

 早くここから逃げ出さなきゃ…!!

 口を開こうとした途端、ガッと部屋の扉が叩かれる。

 音のした方へ向くと、肩で息をしている日番谷隊長がいた。

 私は嬉しくて、思わず日番谷隊長の元へ駆け寄った。


「隊長〜っ」

「おい、市丸。てめえ、 に何しようとした?」

「別に何もしてへんよ?」


 本当か?と目で訴える日番谷隊長に、私はうん、と頷く。

 すると、安心したような笑みを浮かべると、また市丸隊長を睨みつけた。


が世話になったな」

ちゃんを大切に。十番隊長さん」





「おい、

「はい、何ですか?」


 一緒に帰る途中、突然呼ばれた。

 私は隊長の方を向くと、何故か怒った顔で。


「お前、任務の途中で他の奴と話したか?」

「え…っと、恋次さんと一角さんと市丸隊長だけです」


 不思議な顔をして言うと、溜息をつかれる。

 何で溜息をつかれたのか分からなくて首をかしげていると、手を握られた。


「……」

「隊長?」

「…心配させんじゃねえよ、バカ野郎」

「……心配してくれたんですか?」

「そんなの当たり前だろ。 が他の男と話しているとイライラすんだよ」


 思いがけない言葉を聞いて、私は嬉しくなる!

 日番谷隊長が心配してくれてて、嫉妬してくれたんだ…!

 嬉しくて、ぎゅっと腕に抱きついた。

 隊長はいきなりのことで、びっくりしてたけど。


「な、何だよ?」

「妬いてくれてたんですね!」

「…違えよ」

「嘘ばっかり。ありがとうございます。すっごく嬉しいです!」

「早く戻るぞ」


 背ける顔は、少し真っ赤で。

 もう、正直じゃないんだから…。

 また心配してくれるなら、いろんな人と話してきますね!って言ったら、なんて言ったと思う?

 「俺以外の奴と話すんじゃねえよ。俺だけを見てろ」だって!



 そういうところもかねて大好きです、日番谷隊長。

 

























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333Hit 蓮様へ捧げます。

だらだらと長くて、しかも遅くなり申し訳ございません;;

リクエストの内容にそえているのか、とても不安です。

返品可能ですので、いつでもしてくださいね。


キリバンありがとうございました!!

(2005/10/14)


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