# 4 最 高 の プ レ ゼ ン ト











「オズ様!」

「ん?あれ、 じゃん。どうしたの?」


 オズがレインズワース家の廊下を歩いていると、後ろから声を掛けられて振り返る。
 すると、 が癖のある黒髪を揺らしてこちらに走ってきていた。
 彼女はオズの前で止まると、ふう、と息を整えてから「あの、」とブレイクと同じ紅い瞳を向ける。


「ギルバート、何処にいるか知らない?」

「ギル?何処にもいないの?」

「まだ探してる途中なんだけど、何処にもいなくて。オズ様なら知ってるかと思ったんだけど…」


  は胸の前で手を合わせ、周囲を見渡す。
 そんな彼女の姿を見て、オズは内心溜息をつく。
 
オレの従者は大事な恋人を置いて、勝手に何処に行っているんだよ…。
 短めの丈の黒いドレスを身に纏っている に、本当にごめんね、と謝る。


「え?」

「勝手にいなくなったりしてさ、本当にごめん。後できつーく言っておくから」

「オズ様のせいじゃないから謝らないで!今日はクリスマスだから一緒にいたいって私が思っただけなの」

「こんなに想われてるのに、ギルの奴、本当にヘタレ」

「誰がヘタレだ!!」

「ギルバート!」


 オズの言葉を遮った声…それは彼女がずっと探していた人物のもので。
 嬉しそうな とは反対に、オズは2度目の溜息をつく。
 ギルバートは”ヘタレ”と言われた事に対してオズに文句を言おうとするが、 が近くにいる事に気づくと、早足で近づいてきた。


「オズ、 を借りるけどいいか?」

「どうぞ。というか、彼女はお前を探していたんだぞ」

「そ、そうなのか…。悪かった」


 素直に謝るギルバートに、 は小さく首を横に振る。
 怒っていない事に安堵の笑みを浮かべる彼は、彼女の手を握る。
 そのまま歩いていく2人に、オズは「頑張れよ〜」とギルバートの背中に手を振った。

  の部屋に入ると、ギルバートが急にそわそわし始めた。
 その姿に、彼女は首を傾げる。
 不思議そうな表情でギルバートを見上げていると、何かを決めたのか金色の瞳で真っ直ぐ見つめられる。
 ドキン、と高鳴る心臓。
 その瞳に吸い込まれそうになっていると、小さな箱が目の前に出された。


「これは?」

「プ…プレゼント。今日、クリスマスだろう?だから、買ってきたんだ」

「……。これ、私に?」

「ああ」

「あ、開けてみてもいい?」


 首を縦に振るギルバート。
 プレゼントを貰えたという事だけで嬉しくて涙が出そうになるのを堪えて、可愛くラッピングされたリボンを解く。
 蓋を開けると、綺麗な装飾が施された髪飾りが入っていて。
 思わずギルバートを見ると、「つけてやる」と言い、彼の手によって黒髪に髪飾りが付けられた。

「…どう?」

「凄く似合ってる」


 瞳を細めて微笑むギルバートのあまりの格好良さに、 は頬を赤く染める。
 彼女は付けてもらった髪飾りにそっと触れ、幸せそうに笑う。
 綺麗な黒髪に髪飾りが映えていて本当に綺麗で。
 加えて も可愛いから、ギルバートは抱きしめたい衝動に駆られる。
 ……今は2人っきりだし、大丈夫だよな。
 そう思って腕を伸ばそうとした瞬間、 が抱きついてきた。


「!?」

「本当に有難う、ギルバート!これは、私からのプレゼント」

 ちゅ。


 唇に柔らかい感触。
 至近距離だった顔が離れ、 が満面の笑みを浮かべる。
 一瞬遅れてキスされたことに気づいたギルバートは、彼女以上にボッと顔を赤くする。
 彼女からのキスは初めてで。
 赤くなったギルバートがなんだか可愛くて、 はまたぎゅっと彼に抱きつく。


「ギルバート大好き!」

「オ、オレもだ。………愛してる」

 ギルバートは照れながらも、 を抱きしめる。
 
 そして、2つの影が、また1つに重なった。















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パンドラハーツについに手を出してしまいました(笑)
ギルバートっぽいでしょうか…?彼も難しいです;;
さんはギルの恋人です。
容姿は黒髪(クセッ毛で胸の辺りまでの長さ)、紅い瞳、黒いドレス、ブーツです。
今回はほのぼのしたお話でした♪
こういう話があと3つもあります。是非お立ち寄りくださいませ。
3日遅れですが、メリークリスマス!!

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

(2010/12/28)


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