# 3 あ ふ れ る 感 情 を に の せ て











「今年はいろいろあったわね」


 並盛地下にあるボンゴレアジトに隣接している風紀財団のアジト。
 そのアジトの中にある庭に面した和室の縁側で、 は座って呟いた。
 和室で着物を着て読書をしていた雲雀は、目はそのまま字を、意識は へ向ける。


「10年前からボス達は来て、白蘭と戦って世界を救って…何だか夢みたいだったわ」


 彼女の言葉に、雲雀は顔を上げる。
 ボスって…あの沢田綱吉のことだよね。
 ちょっとムッとしながら、「突然どうしたの」と の隣りに移動する。
  は彼が隣りに座るのを感じながら続ける。


「明日で今年が終わるから、感傷的になっているのかもね」

「だからってあの草食動物の名前なんて出さないでよ」

「あら恭弥、もしかしてヤキモチ?」


 雲雀の顔を見上げると、彼は「…別に」と庭を見て言う。
 拗ねているのが分かると、 はふふ、と笑い、彼の肩に頭を預ける。


「拗ねなくたって、私はずっと貴方しか好きにならないわ。心配しないで」

「…そんな事、前から知ってるよ」


 スッと雲雀は自然な動きで、 の腰に手を添えて抱き寄せる。
 うん、と は嬉しそうに小さく頷く。
 それから2人は黙ったまま、庭を眺める。
 お互いの温もりを感じながらの沈黙は、とても心地良いもので。
 ヒバードが何処からか飛んで来て、雲雀の頭の上に乗る。
 「ヒバリ!ヒバリ!」とヒバードが鳴いているのを聞きながら、 は彼の顔を見つめる。


「恭弥、今年1年有難う。来年も傍にいてもいい…?」


 彼女の突然の言葉に、鋭い雲雀の目は驚いて少し見開く。
 自分を見つめる彼女の瞳は不安で揺れていて。
 ふう、と溜息をつくと、 に触れるだけのキスをした。


「当たり前でしょ。何言ってるの、君」

「恭弥…」

「来年も再来年も何も変わらないよ。 はずっと僕の傍にいる」

「…うん」

「離れたりしたら許さない。その時は噛み殺すから」

「ありがとう、恭弥」


 息がかかる程の2人の距離が全く無くなる。
 何度もキスを繰り返し、そして離れる。
 雲雀は腰に添えていた手を自分の方に引き寄せる。
 空いている方の手で の頬を優しく撫でながら、低く甘い声で囁いた。


「一生僕の傍にいなよ、











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初の雲雀さん夢です。
10年後なんですが…大人って難しいですね。ちなみに2人はもちろん恋人同士です。
雲雀さんになっていますでしょうか…?
こういうほのぼの・甘い話があと3つもあります。是非お立ち寄りくださいませ。
今年1年お世話になりました!

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

(2010/12/28)


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