ライバルだと、思われてる方が気が楽

【ライバルor...?】

「勝ったー!!」
「…ちっ」
「何や跡部、また に負けたんか」
「うるせぇ忍足。一点差だ」
「一点を笑う者は一点に泣くのよ跡部!!そう、まさに今の状態!!
 ざまぁみろ俺様野郎!!」
「… 、次は笑ってられねぇからな」
「どうかしらね〜」

景吾と私は幼なじみ
兼、ライバル
でも私はそれプラス景吾は好きな人だ
でも今更
『景吾が好きなの。うふふ』
なんて女の子らしい事が言えるはずもなく
私は未だライバルという関係から発展出来ずにいる

「だいたい期末で何で家庭科の科目があるんだよ」
「何や、家庭科の点数で に負けたんか跡部は」
「私98点景吾97点。他の合計点数は同じ
 まあほとんど100点ばっかなんだけどね」
「その脳味噌わけてんか…」
「忍足にわけるぐらいなら犬にわけた方が利口よ」
「俺は犬以下かいな」
「え、微生物以下」
「何やねんそのランクは…ほな跡部はどうなん?」
「え…」

景…吾?
そりゃ…一番…だけど…
そんな事言えないし…

「バーカ。俺と は単なるライバルだっていつも言ってんだろ
 さっさと学習しろ忍足。そんなだからテニスも弱ぇんだよ」
「何やとこの俺様ナルシー!!ほれ、 も何や言ったりや!!」
「あ…ごめん、ちょっと私用あるから」
「何やつまらんなぁ。野郎と居ってもおもろないわ」
「その言葉そっくり返してやろうか」

言い合ってる景吾と忍足を残して教室を出る
ん〜む…結構キツいんだなぁ…本人から聞くと

「単なるライバルかぁ…」

まあ仕方ないけど
景吾は私の気持ち知らないわけだし
ああいう奴だし
それにまだ時間はゆっくりあるんだから
ゆっくりじっくり発展させればいい
焦ってもいい結果はついてこないから

「あ、着いた」

ここは裏庭
静かで木が生い茂ってて
人からは見つかりにくい所
景吾の事で何か悩むと私はいつもここに来る
だから、また来た

「…ん、大丈夫大丈夫」

早く元に戻らなきゃ
ライバルの私に
好きという態度を見せて今みたいな関係を崩さないように

「うっし!!」
「ねぇ」
「へ…?」
ってあなた?」
「そうだけど」
「ふ〜ん…」

あ、何処かで見た事あると思ったらこの子景吾の追っかけだ
おしゃれと流行ばっか気にしてて勉強全然してないって噂
…可愛い顔してるけどね

「あなたさぁ、ちょっと自分の事どう思ってるわけ?」
「はい?」
「だから、あなたが跡部様と釣り合うとでも思ってるの?」
「釣り合うも何も…私景吾と付き合ってないし」
「なら跡部様の事、好きじゃないのね?」

…好きじゃないなんて
そんな事言えない
これだけは絶対に嘘を吐きたくないから

「…好き…だけど」
「はぁ?馬鹿じゃないの?
 あなた程度の顔で跡部様の事好きになる資格ないのよ
 あなたは一生ライバルで終わるのよ
 そして私が跡部様と付き合うわ。それが当然ね」

…ちょっとちょっとちょっと
それはどうなのよ

「待ちなさいよ」
「…何かしら」
「さっきから聞いてれば言いたい放題言ってくれちゃって…
 私は確かに頭以外じゃ景吾とは不釣り合いよ!!
 でもね、資格だの何だのは関係ないでしょ
 そもそもそれをあんたに言われる筋合いはないわ
 それを決めるのは景吾じゃないの?」
「な…跡部様があなたなんかと付き合いたいと思うわけないでしょ?!
 ただのライバルのくせに何出しゃばってんのよ!!」
「…ただの追っかけのくせに何出しゃばってんのよ」
「っ!!」

これだから馬鹿の相手はしたくないのよね…
やれやれ
ため息をついて女子の隣を通り抜けようとしたら

バシンッ

「いった!!いきなり何…」
「跡部様は私の事が好きって言ってたわよ!!」
「…は?」
「私となら付き合ってくれるって、あなたはうざいって言ってたのよ!!
 わかったら跡部様の周りうろちょろしないで!!」

景吾が…うざいって…?
う…そ…そんな…

「そんな事…」
「お前…そんな嘘をつくなんざ随分偉くなったもんだなぁ?」
「っ…あ、跡部様…」
「景吾…」

腫れた頬を押さえながら目の前に現れた人物を見つめる
本当に?
私はうざい存在になっちゃったの?

「おい、お前」
「は、はい」
「失せろ」
「え…」
「いいからさっさと失せやがれ」
「でも…」
「殴られなきゃわかんねぇか?アーン?」
「し…失礼しました…」

おお
景吾強し!!
でも何でここに居るんだろ


「ん?」
「見せてみろ」
「何をよ」
「頬だ。さっさと見せろ」
「え…」
「見せろって…」

グイッ

「ひゃ…」
「言ってんだよ」
「ちょっ…」

腕を掴んで強引に頬を押さえてた手を退かされる
何が何だかわからないままきょとんと景吾を見つめると

ちっ


舌打ちされました

「可愛いライバルが怪我してんのに何舌打ちしてんのよ!!」
「誰が可愛いライバルだ」
「私」
「病院行け」
「何をー?!」

しっつれいしちゃうなぁ!!

「全く…この私の何処が可愛くないと言うんだか…」

ぶつぶつ文句を言いながら俯いてると
腫れた頬に何か温かくて柔らかいものが触れた

「へ…?」

真横には景吾の顔がある
…という事は

「〜っ?!」
「可愛くねぇなんざ言ってねぇだろ」
「な、な、なななな…」
「俺はな、お前を可愛いライバルだとは思ってねぇんだよ」
「じゃ、じゃあ何だって言うのよ」

すると今度は
頬に触れたものが
唇に触れて
真横にあった景吾の顔が
真正面に来た

「っ?!」
「…俺にとったら は可愛い女だ」
「はぁ?!」
「文句でもあんのか?アーン?」
「な、なくはないけど…」
「嬉しくねぇのか?」

んなわけねぇだろうけどな
みたいな目をしながら私を見る景吾
う…嬉しくないわけがないから余計に腹が立つ

「嬉しい…けど…」
「じゃあ問題ねぇだろ」
「問題って何の…って!!何すん…っ!!」
「少しは黙ってろ、
「んんっ!!」

景吾からキスの嵐が降って来た
まあその後私は景吾にパンチの嵐をお見舞いしたからおあいこだけど
で、お互いに文句を言い合いながら教室に戻ると

「景ちゃん、早かったなぁ
 愛しの姫は守れたみたいやな。めでたしめでたしっちゅーわけや」
「忍足…アンタ全部知ってるの?」
「当たり前やん。俺は氷帝の天才やで」
「の割には成績悪ぃけどな」
「ほっときや、臆病な景ちゃん」
「臆病?」

臆病って…
この景吾が?
…………想像出来ない…!!

「あんなぁ
「うん?」
「前から跡部の事好きやったやろ?」
「うん……ってえぇ?!」
「跡部は前から の事好きやったやろ?」
「それがどうした」

…否定しないんだ……
私の苦労っていったい…

「やけど二人ともふられるんが怖いさかい告らんかったと…
はまだしも男の跡部までそれやったらあかんやろ?
それになぁ、
「何?」
「跡部の奴今日 が用ある言うて抜けた後しばらく放心しとったんやで」
「は?」



『跡部、あれはないんとちゃう?』
『あ?何がだよ忍足』
『やから に言う言い方や
あんな言い方しとったら嫌われるで』
『…元々嫌われてんだ。今更気にする必要ねぇだろ』
『……まさかそれ本気で言うとるん?』
『あ?当たり前だろ』
『はぁ…これやから俺様ナルシーは困るねん
お前結構鈍いなぁ… は絶対お前の事好きやで』
『…んだと?』
『ちなみに』
『あ?』
『今 の後、跡部の過激な追っかけの一人が追うてたで』
『…』

「そして跡部は の後を追うたっちゅーわけや
 後悔するぐらいやったら突き放すような事言うなっちゅーねん
 なぁ? もそう思やろ?」
「え〜っと…景吾、本当?」
「…だったらどうだってんだよ」

あ、図星なんだ

もどや?こない軟弱男よりこの大人の雰囲気漂う俺にせん?」
「え〜」

もちろん冗談なんだろうけど
手を掴みながら言うのはやめて欲しいなぁ…

「おい」
「え?」
「何や?」

グイッ

「ちょっ…景吾?!」

忍足に掴まれてた手を強引に景吾に引っ張られて
よろけた私は景吾の腕の中に倒れ込んだ
なんつーベタな!!

は俺の女だ。手ぇだすんじゃねぇよ」
「け…ご…?」
「あ?何だ」
「や…そんな束縛するキャラだったっけって思って」
「バーカ」
「何?!」
「こんなの束縛のうちに入らねぇよ
 …なんなら…」


―本当の束縛を見せてやろうか?―




***後書き***
誰ですか本気でこれは(真顔)
や…すいません、一応跡部のつもりなんです…
本当に跡部のつもりで書いたつもりなんですけど…;
申し訳ありませんかりん様
こんなものでよろしければ貰ってやって下さいませ〜

















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