『明日、9時に ちゃんの家に迎えに行くよ』

【with,wish】

朝、ぼーっとしながら見つめる携帯の画面
昨日はベッドに寝転がりながら清純君とメールしてたら
どうやらそのまま寝ちゃったみたいで
私が寝た後に一通清純君からメールが来てた
それが、さっきの文

「…9時」

今は、8時
……………………………わー…どうしよう…

「き、清純君が来ちゃうー!!」

バタバタ用意してたら1時間はあっという間に過ぎて
気が付いたら

ピーンポーン

9時になってた

「清純君来ちゃった…」

だ、大丈夫かな
変じゃないかな、私の格好
お母さんが出てくれたみたいだけど…清純君だよね?

ー、お客様よー」
「はーい!!」

お客様……彼氏…なんだけどな、一応
玄関に向かうと私服姿の清純君が立ってた

「おはよう、 ちゃん」
「お、おはよう清純君」

清純君格好いいなぁ…
私服姿も制服もどっちも似合ってる

「それじゃ、私はこれで」
「ありがとうございました」
、遅くなる時は連絡するのよ」
「あ、はい」

私が頷くと清純君に軽くお辞儀してからリビングに戻るお母さん
……お母さんと清純君何か話してたのかな

「それじゃあ行こうか ちゃん」
「でも清純君行くって…何処に?」
「それはともかく…誕生日おめでとう」
「あ、ありがとう」

覚えててくれたんだ…嬉しいな〜

ちゃんに1歳先越されちゃったな」
「清純君って何月だっけ?」
「俺は11月だよ」
「後3ヶ月か…」
「結構遠いかな」
「でも意外と早いんだよね」
「そうだね。それで行く所なんだけど…」

清純君が私に差し出したのは2枚のチケット
…カップルご招待券?

「遊園地のチケットでね、2人のどちらかが誕生日だったら
その日の入場料タダらしいよ。他にもいろいろなサービス
ちゃんはここでもいいかな?」
「うん!!」
「じゃあ、決まりだね、行こうか」

その言葉と同時に私の手を握ってくれる清純君
清純君はいつも私の気持ちがわかってくれてるみたいな行動をする
それが何だか凄く嬉しい
電車に乗ってその遊園地に着いた
誕生日が今日だって証明する物と一緒にチケットを出したら係の人はにっこり笑って通してくれた
誕生日だとお得〜

「壇君に感謝だな」
「壇君…あ、前に話してたマネージャーの子?」
「そう。俺が ちゃんと付き合ってるの知ってるからかな
チケット2枚もらったからどうぞーって」
「優しい後輩持って清純君幸せ者だね」
「それより ちゃんと付き合えてる事の方が幸せだよ、俺は」
「私も幸せ、だよ?
清純君と付き合えてるから」
「彼氏冥利に尽きる一言だね〜」

そ、そうかな…
そんな話をしながらいろんなアトラクションに乗った
それでコーヒーカップの次に来たのは

「結構デカいんだね」
「そうみたい。…私迷いそうだな」
「大丈夫、俺と手を繋いでいよう、ね?」

ミラーハウスだった
見た目からしてかなり大きい
うう…清純君が優しくてよかった…

「ぜ、絶対離さないでね?」
「大丈夫だよ ちゃん」

清純君はにっこり笑いながらそう言ってくれたけど
今日の清純君は幸運の女神が出張してたのか
ミラーハウスの中に入って係の人に衝撃的な言葉を聞かされた

「え…一人ずつしか入れない?」
「はい。このミラーハウスは通路が狭いので…
二人でお進みされる事は無理なのです
尚、係の者が入ったお客様が見えなくなってから次のお客様を入れますので…」
「中での待ち合わせも無理…か」
「はい。」
「き、清純君」
ちゃん…ここはやめておく?他にもアトラクションはあるし」

う…本当はちょっと怖い
狭い所で一人きり
そういう環境は昔から苦手だった
…けど
清純君に迷惑かけたくないし!!

「私、大丈夫だよ!!」
ちゃん?!無理しなくても…」
「無理じゃないよ、ちょっと入ってみたいから」
ちゃん…」
「それでは、奥へどうぞ」

係の人に促されて奥へ行く
すると広いロビーみたいな所に出て、もう一人係の人が居た
そしてその人の隣には…ミラーハウスへの入り口

「それではお客様、どちらからお入りになられますか?」
「俺から入ります」
「清純君?」

私が驚いて清純君を見上げると清純君は顔を私の耳に近付けた

「係の人から見えなくなる一番近い所で待ってるよ」

…清純君…やっぱり、優しい

「本日までのベストタイムは1時間10分36秒となっております
このタイムより早くミラーハウスを攻略出来ましたら豪華賞品がございます」
「それは凄いなぁ」
「清純君…」
「それじゃ、行って来るね ちゃん
大丈夫、ゆっくり進むから」

私の頭を軽く撫でて入り口に入って行く清純君
…行っちゃった…
清純君が隣に居ないだけで寂しい

「…それでは、お客様もどうぞ」
「…はい」

清純君が入ってから5分ぐらい経ってから中に入る
中に入った瞬間に周囲の鏡に私が映し出される
鏡に触れると鏡特有の冷たさ
…怖い
何も音がしない、何の影も見えない

「…清純君…?」

少しずつ少しずつ進みながら清純君を呼ぶ
でも返事はない

「清純君…?!」

やだよ、清純君
何処にいるの?
置いて、いかないで
また、手を、握って

「嫌…!!」

怖い
怖い
怖い
無の世界
隣に、清純君が居てくれなくちゃ
怖い
清純君…!!

ちゃん!!」
「…え?」
「よかった、見つかった」
「清純君…?」
「このミラーハウス一人が入ったらその道に鏡が降りて来るみたいなんだ
だから例え係の人から見えない所で待ち合わせしても無駄
迷路が二つあるような物なんだね」
「でも…清純君は何で…」
「入ってすぐそれに気付いたんだ
だから進んで進んで分かれ道になったらゴールじゃない方に向かった
だから俺は ちゃんのコースを逆走出来たんだね」

ごめんね、遅くなって
と言いながら私の手を握る清純君
…安心する、凄く

「清純君が…隣に居てくれると本当に安心するな、私」
「それは俺もだよ、 ちゃん」
「清純君も怖いの?」
「怖いかな、 ちゃんが隣に居ないと。
ちゃんが何処で何をしてるのか、泣いてないか…
そう考えると凄く怖いよ」
「…清純君優しいね」
「俺が?そんな事ないよー」
「清純君は凄く優しいよ、私そう思う」
「それなら ちゃんの方が優しいよ」

その清純君の言葉の後
一瞬、少しだけ、唇が温かくなった

「き、きよ、清純君?!」
ちゃん真っ赤だよー、可愛い」
「そうじゃなくて今…」
「ほら、早く出て目指せ!!豪華賞品」

…上手くはぐらかされた気がする…
ちょっとむーって思ったけど
ミラーハウスを進んでるうちにそんな事忘れちゃった
それでミラーハウスのゴールを出て経過した時間は

「1時間13分3秒か…もうちょっとだったね」
「でも十分早いような気がする…」
「豪華賞品欲しかったなあ…」
「そんなに欲しかったの?」
「その方が ちゃんは嬉しくない?」

…やっぱり
清純君は、凄く凄く凄く優しい

「私は清純君が居てくれればそれでいいよ」
「そう?あ、でもこれは貰って欲しいな」

そう言いながら清純君が差し出したのは
綺麗にラッピングされた小さな箱

「言うの2回目だけど…誕生日おめでとう、 ちゃん
誕生日プレゼントなんだけど渡すの遅れちゃってごめんね
なかなか渡すタイミングがなくて…」
「いいの!貰えただけで凄く嬉しい!開けてもいい?」
「もちろん」

リボンをほどいて箱を開ける
すると中には

「綺麗…」

綺麗なピンク色の花が着いた指輪
ガラスじゃないみたいだけど凄くキラキラしてる

「気に入ってもらえたかな?」
「凄く…ありがとう清純君!」
「この花はね、俺のこのストラップと対になってるんだ」

清純君が見せてくれたのは携帯に繋がってるストラップ
そのストラップには小さなジョウロが着いてた

「俺と ちゃんの体が離れてても心は一緒だよ
…ってなんだか俺凄く恥ずかしいセリフ言ってるね」
「そんな事ないよ、凄く格好いいもん清純君」
「ありがとう、 ちゃん」

にっこり笑った清純君の顔がまた近づいて
また唇が、温かくなった

「〜っ、清純君、皆見てる!!」
「それは ちゃんが可愛いからだよ〜」
「それはない!!」
「いやいや、絶対にそうだよ ちゃん」



今日改めて思った事

清純君は凄く凄く優しくて
…話をはぐらかすのが凄く上手





***後書き***
…や、本当に誰これって感じですね…
青学ばかり書いていると他校のキャラがどんどん駄目になっていきます…
こんな駄文で本当に申し訳ありません…!!
そして長い間本当にありがとうございました☆












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