拍手D

2012.04.07 - 2013.06.09
(2013.06.09up)

List(相手)

1. BLEACH(日番谷冬獅郎)
2. 銀魂(神威)
3. TIGER&BUNNY(バーナビー)
4. テニスの王子様(白石蔵ノ介)
5. テニスの王子様(忍足謙也)
6. テニスの王子様(財前光)




Matetial by Simple Life
design from DREW

1. 日番谷冬獅郎 「恋人ができました」

BLEACH // 連載ヒロイン

「恋人ができました」
「………は?」
 頬を少し赤らめてはにかむお前の言葉が一瞬理解出来なくて、俺は何とも間抜けな声を出してしまった。
 恐らく表情も同じになっているだろう。いや、そんな事はこの際どうでもいい。
 今、何て言った?
 恋人が。
「だから、恋人ができたの」
 ガン!!と、何か重い物で頭を殴られたような衝撃に襲われた。
 ――恋人……が、お前に…!?
 いつかは出来ると思っていた。思ってはいたが、出来るなら出来てほしくなかった。いつかは自分がそうなりたいと、密かにずっと胸に秘めていたから。
 思った以上にかなりショックを受けている自分に、少なからず驚いている自分もいる。
 頭を抱えてしまった俺を、「あ、あの、冬獅郎くん?」と少し戸惑った声で呼ぶ。沈んだ気持ちで視線を合わせれば、お前は苦笑を浮かべていた。
「恋人ができたのは、私じゃないよ」
「…は?」
「私じゃないの。あの子に、華恋になの」
「伊宮に…なのか?」
 俺が問えば、お前ははっきりと頷いた。途端に身体の力が一気に抜け座り込んでしまいそうになるが、情けない姿を見せたくなくて足に力を入れる。
 ――ったく、誤解させるような言い方をすんじゃねえよ!
 自分で勝手に勘違いをしてショックを受けていただけだが、それを棚に上げて睨むと、ごめんね、と眉尻を下げる。
 そんな顔をされたら、これ以上怒れるわけがない。
 はあ、と溜息をついていると、お前は近くへ来て、澄んだ碧い瞳で真っ直ぐ見つめてきた。
「多分ね、私には恋人なんてずっと出来ないと思う。だって、冬獅郎くんと一緒にいたいから。だから、大丈夫だよ」
「……」
 今、とても凄い告白をされたような気がして、思わず目を見張る。
 ね?と、ふわりと微笑むお前を直視出来なくて顔を背ける。そして、手で口元を覆う。
 ――何が大丈夫なんだよ…!
 あまりの嬉しさに、口元がだらしなく緩んでしまう。
「……本当に出来なくても知らないからな」
 手で隠したまま小さな声で言えば、お前は頬を朱に染めた満面の笑みを浮かべて。
 ――ああ……お前には一生敵わねえ気がする。
 自分がどれだけ惚れ込んでいるのか、再確認したのだった。

2. 神威 「血しぶき浴びて死に狂え」 

銀魂 // 連載ヒロイン

 私は……何をしているの?
 目の前には、屍が絶える事なく続いている。
 空を見上げると、赤かった。
 自分の手も赤い、手にしている刀も赤い、服も赤い、目の前の全てが赤い
 赤、赤、赤、赤、赤、赤。
「血…」
 呆然と呟くと、あの時の事がフラッシュバックする。
 一緒だ、あの時と。
 攘夷戦争の時と。
 私は、もう…血の中に立たないって…、誰も殺さないって約束したのに…。
 約束を交わした大切な人の顔が、赤で消されていく。
 やめて、やめて、消えないで…!
 どんなに叫んでも手の伸ばしても、届かない。
「やだ…やめて…!やめて!!」
「大丈夫だよ」
 不意に、声と共に身体が感じる温もり。目を見開きながらゆっくりと肩越しに振り返れば、戦場には似合わないようなオレンジ色が視界に映る。
 ああ、この人は……。
「神、威…」
 よく知る体温、聞き慣れた声、見慣れた三つ編み。
 私が名を口にすれば、耳の近くで笑う気配がした。視線を上げると、彼の服と腕に付着した血。
 目の前に広がる赤。
「やだ!離して神威!!」
 もう血は見たくない。この赤い世界にいたくない。抜け出したい、早くここから。早く早く――…!!
「お前は抜け出せないよ」
「!?」
「一生ね」
 絶望的な、逃げ道を閉ざす、希望を撃ち砕く言葉を告げられる。私は一生、この赤の中から、抜け出す事は出来ない。
 あの人の顔は、全て赤に塗り潰された。
 そして、その上に現れたのは。
 私の身体を反転させ、赤の中で青い瞳で見つめてくるこの人だった。
「お前には、戦場が似合ってる」
「私、は…もう…」
「こんなにも綺麗なんだ。戦場はお前にとって、一番輝ける場所だよ。血を浴びたお前は、本当に綺麗だ」
 甘い言葉、頬に触れる手、身体を包み込む体温。
 こんなに汚れた汚い私を、神威は綺麗だと言ってくれた。
 血に染まった私を、唯一この人だけは理解して受け入れてくれた。
 私は、私は……。
「絶対に手放さない。どんな事をしてもね」
 耳元で低く囁かれた言葉をどこか遠くで聞きながら、降ってくる唇を受け入れる。
 血の、鉄の味が口の中に広がる。
 私は、この人から与えられる甘い血で、死ぬまで狂っていくのだろう。

3. バーナビー・ブルックスJr. 「おはよう、のにおい」 

TIGER&BUNNY // 連載ヒロイン

 久しぶりに幸せな夢を見た。
 僕と君が一緒になって子供もいて…幸せな家族の夢。
 僕は、ゆっくりと目を開ける。すると、視界いっぱいに愛しい君の寝顔があった。
 ああ、そうか。だから、僕はこんな夢を見る事が出来たんだな。
 気持ち良さそうに眠る彼女を起こさないように、そっと頬を撫でる。額に唇を寄せる。
「愛してる」
 愛しい気持ちを込めてキスをすれば、彼女は身じろぎ、睫毛が震える。まるで、スローモーションのように開かれる紫色の双眸。
 じっとその様を見つめていると、眠たそうに何度も瞬きをして。可愛いなと思っていると、ようやく僕を認識した君は柔らかく微笑んだ。
「おはよう、バーナビー」
 本当に、どうして君はそんなに可愛いんだ。愛おしくて仕方ない。
 僕は気持ちを抑えられなくて、桃色の唇に自分のものを重ねる。
 触れるだけのキス。
 唇を離し、僕も瞳を細めて微笑んだ。
「おはよう」
 君と迎えるおはようは、とても甘くて幸せのにおい。

4. 白石蔵ノ介 「今夜も君に溺れる」

テニスの王子様 // Family's Sister(If...story)

「なあ、俺のこと、呼び捨てで呼んでみてくれへん?」
「え?」
 はるばる大阪から私の家を訪ねてきてくれた蔵ノ介くんの発言に、目を丸くする。
 突然、どうしたのだろうか。
 小首を傾げていると、彼は包帯をしている左腕の肘をテーブルに付き、手の平に顎を乗せる。
「何となくや。今の呼び方も好きなんやけど、偶には呼ばれてみたいと思うてな。弟くんみたいに」
 瞳を細め、笑みを浮かべる蔵ノ介くんはとても格好良くて、思わず見惚れてしまう。そんな優しい眼差しで見つめられたら、どんな女の子でも惚れてしまうと思う。
 そうか、彼はこうして自然と女の子達を虜にしているのね…。
 そんな事を思っていると、名前を呼ばれたと同時に彼の手が頬に触れてきた。優しく扱うように、私の頬を撫でる。
「嫌か?」
「い、嫌じゃないわ。呼べばいいのね?」
 切れ長の意思の強い瞳を見つめれば、蔵ノ介くんは頷く。
 私は、視線を彼から下げて目を瞑る。
 大丈夫、景吾達みたく呼べばいいんだもの。何故か呼ぶだけなのに、胸がドキドキと高鳴る。
 よし、と気合を入れて目を開き、蔵ノ介くんの端整な顔を見つめる。
「蔵ノす…」
 蔵ノ介、と最後まで言う事が出来なかった。
 私は驚いて、大きく目を見開く。
 すぐ近くには彼の顔があり、唇には自分のものではない柔らかな感触。そっと唇が離れ、私は指で唇に触れる。
 ――も、もしかして、今のって…。
 ようやくされた事を理解すると、かああと顔が一気に熱くなる。きっと、というか、絶対に真っ赤になっている。
 驚いて蔵ノ介くんを見てみれば、彼はとても楽しそうに笑っていた。
「く、蔵ノ介くん…?」
「あかんなあ。さっき言うたやろ?呼び捨てで呼んでくれって。もう一度言うてみて?」
 言わせてくれなかったのはそっちじゃない!と反論したかったけれど、言えなかった。先程よりも顔が近く、息がかかる程の距離で、低い甘い声で囁かれてしまったから。
 更に、顔が熱くなる。恐らく、頬に触れている彼の手にもこの熱が伝わっている筈。そう思うと凄く恥かしくなって、今まで以上に頬が真っ赤に染まっていく。
 こんなに近くにいる彼に聞こえてしまうのではないかというぐらい心臓をドキドキさせながら、もう一度口を開いた。
「蔵ノ…っ」
 また最後まで言えず、言葉は彼の中へ消えていく。瞳を閉じて、彼を受け入れる。今度はチュ、とリップ音を立てて離れると、蔵ノ介くんは額を合わせて顔を覗き込んできた。
「また言えんかったな」
「く、蔵ノ介くんが言わせてくれないからでしょ?」
「さあ、どうやろな?」
 反撃しても、蔵ノ介くんは楽しそうに笑って。
 私は悔しくなって、その後も何度も呼ぼうと頑張るけれど、全部蔵ノ介くんの中に消えていった。
 ――そうして、私は今日も彼に溺れていく。

5. 忍足謙也 「またね」 

テニスの王子様 // Family's Sister(If...story)

 ――プルルルル。
「はい。もしもし」
『夜遅くにすまんな。俺や俺!久しぶりやな』
「……オレオレ詐欺?」
『何でやねん!俺や、謙也や!もう忘れたんか!』
「知ってるわ。だって、着信で名前が出るもの』
『ホンマにびっくりしたで。って、もう笑うなや!』
「謙也くんがあまりに必死だったから…。それで、今日はどうしたの?何かあった?」
『何かあったっちゅーか…あれや』
「?」
『こ…声が聞きたかったっちゅー話や!』
「え?」
『その…東京と大阪じゃ滅多に会えへんし、メールだけやなくて、やっぱり直接話したかったんや。迷惑やったか?』
「その聞き方はずるいな、謙也くん。私も……貴方の声が聞きたかった。だから、凄く嬉しい」
『…そうか。俺もめっちゃ嬉しいで』
「ねえ、謙也くん」
『ん?」
「今、外が見える所に居る?」
『おるで。外がどないしたんや?』
「大阪は晴れてるのかな…ちょっと分からないけど、東京は晴れててね、星はそんなに見えないんだけど、月がとても綺麗なの」
『こっちも晴れてんで。…あ、ホンマや。今日は満月なんやな。気がつかんかった』
「私達、違う場所で同じ空を見てる。何だか不思議ね」
『どんなに離れていても、この空の下で俺達は繋がってるっちゅー話やな』
「…うん。謙也くんと、繋がってる』
『…!!』
「? どうかした?」
『い、いや、何でもあらへん!あ、そや!また近いうちに、東京に行く事になった』
「本当に?」
『おお。練習試合なんやけどな』
「それでも嬉しいわ。蔵ノ介くん達にまた会えるんだもの。皆、元気かしら」
『あいつらは相変わらず元気やで…っで、何で白石達やねん!俺は…お、お前に会いたくて』
「私も一緒」
『お…』
「私も謙也くんに会いたい。一番に会いたい。来るって聞いたら、すぐに会いたくなっちゃった」
『……何や、今日はえらい素直やな』
「…もう。そんな事言うなら、もう切ります」
『ちょお待って!近くになったら絶対連絡するから、会いに来てくれるか?俺も一番に会いたいんや』
「分かった。絶対に行くね。約束する」
『ああ、約束やで。ほな、遅くに悪かったな』
「ううん。ありがとう、謙也くん」
『またな。おやすみ。――…大好きやで』
 ――プツン。
「謙也くんてば、もう…。ふふっ」
「またね」

6. 財前光 「ハニートラップ」

テニスの王子様 // Family's Sister(If...story)

「……そこで何してはるんですか」
「あ、光くん!」
 俺が部室に行く途中、此処に居る筈のない、よく知る女の人が壁にもたれて空を見上げていた。
 あの強烈な跡部兄弟の義姉で、俺の彼女。
 大阪に遊びに来ているのだが、この人は俺よりも年上だから、必然的にもう中学生ではないし、卒業生でもない。完璧な部外者なのに、此処で何をしているんだか。
 笑顔で目の前に来たこの人に、俺は溜息をついた。
「何、勝手に入ってるんですか。不法侵入で捕まるで」
「残念。不法侵入じゃないの。ちゃんと許可は取りました!オサム先生に」
「………捕まらんといいですね」
「え?」
 オサムちゃんに許可取ったって、それ全然信用出来へん。もっと人を選んでほしいっスわ…。
 そんな事を言っても、人が良いこの人は、きっと次もオサムちゃんに許可を取りに行くのだろう。
 はあ…と、自然と溜息が零れる。すると、心配そうな表情で俺を見つめながら、小さな手が頬に触れてくる。
 低体温の俺は、その手の温もりがとても好きだ。……絶対に、そんなこと言わへんけど。
「光くん疲れてるの?溜息ばかりついてる」
「空をボーッと見てた誰かさんのせいっスわ。ホンマ、気苦労がたえませんわ」
「……ごめんなさい」
 一瞬表情を歪め、頬に触れていた手を下ろすと同時に顔を俯かせる。
 そんな表情をしないでほしい。まるで、叱られて泣く寸前の子供のような顔。
 というか、この人は絶対に分かっていない。そんな顔されたら余計に好きになってしまうし、誰にも見せたくなくなる。
 放っておけなくなる。
 ……本当に、どっちが年上なのか分からへん。
 内心で呆れながら、俺は目の前の小さな身体を抱き締めた。ビク、と反応したが、それを無視し、耳元で囁く。
「ホンマは会いに来てくれた事、嬉しかったんや」
「光くん…」
 そう言って顔を上げた彼女は、頬を赤く染めて、とても嬉しそうに微笑んで。
 ああ、だから、そんな顔すんなや。俺の腕の中に閉じ込めてしまいたくなる。
 赤い頬を優しく撫で顎に手を添えると、彼女はゆっくりと瞳を閉じる。
 その動作の全てが、愛おしくてたまらない。
 俺をこんな気持ちにさせるなんて、ホンマに。
「好きすぎてしゃーないっスわ」
 自分を待つ甘い仕掛けに、俺は唇を寄せた。

※お題をお借りしています※
1.2.3.4.5.6...ごみばこ



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